2020.2.29
IMM東京:新型コロナウイルス感染拡大に伴う中止イベントのお知らせ(2月29日現在)
新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、参加者および関係者の健康・安全面を第一に考慮した結果、下記のプログラムの開催を中止することにいたしました。
楽しみにしてくださっていた皆様には申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
<中止>
・2月29日(土)Memorial Rebirth 千住「メモリバ学校 技術」
・2月29日(土)~4月5日(日) 仲町の家 閉室
・3月12日(木)IMM東京「多文化社会におけるアートのチカラ」第5回
・3月14日(土)仲町の家 草むしりと交流会
・3月15日(日)仲町の家 千住持ち寄りレコード鑑賞会
・3月28日(土)Memorial Rebirth 千住「メモリバ学校 音楽・体育」
2020.2.12
トーク・セッション「高山明と蕨(わらび)市に住むクルドの人々」(IMMレクチャー・シリーズ「多文化社会におけるアートのチカラ」第5回)
※3月12日(木)に実施予定だったトーク・セッション「高山明と蕨市に住むクルドの人々」は、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、参加者および関係者の健康・安全面を第一に考慮した結果、プログラムの開催を中止することにいたしました。(2020年2月29日)
撮影:蓮沼昌宏
演出家・高山明は、2017年からツアー・パフォーマンス「東京修学旅行」を制作してきました。東京都区内のさまざまな街を日本人ではなく、東京に住んでいる外国人たちがガイドすることによって、外国人、日本人両方に新鮮な体験を与えるのが、このプロジェクトの大きな特徴です。2018年には難民問題を軸とする「新・東京修学旅行」が制作されました。その中の「クルド人編」では、在日クルド人たちがたくさん住んでいる「ワラビスタン(埼玉県蕨市)」で料理教室体験や歴史ツアーが行われました。今回のトークでは、高山明「クルド人編」でガイド役を務めたアリ氏と高山明氏の対談を通して、日本に暮らすクルド人たちの生活や記憶を辿ります。/文責:権(IMM企画担当)
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IMMレクチャー・シリーズ「多文化社会におけるアートのチカラ」(全5回)とは
日本では既に多くの在留外国人が住んでおり、地域社会の多様化を深化させています。そんな現状にクローズアップして、社会学×現代美術、在留外国人×日本人といったクロスの視点から紹介していくのが本レクチャー・シリーズ。表現活動を通して多国籍・多文化の事象に向き合うゲストを迎えて、多文化社会における多種多様な課題とアートの関係性について考える場を提供します。
IMMレクチャー・シリーズ第1回〜第3回の開催情報(イベント終了)
IMMレクチャー・シリーズ第4回の開催情報(イベント終了)
IMMレクチャー・シリーズ第1回・第2回の開催レポート
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IMMレクチャー・シリーズ第5回 開催情報
2020年3月12日(木)19:00–21:00
登壇者:高山明(演出家)、アリ・アイユルディズ(「新・東京修学旅行」ガイド役)
【登壇者プロフィール】
●高山 明(たかやま あきら)
1969年生まれ。演出家・アーティスト。東京藝術大学大学院映像研究科教授。2002年、演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)を結成。実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の都市や社会に介入する活動を世界各地で展開している。近年では、美術、観光、文学、建築、都市リサーチといった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によってさまざまなジャンルでの可能性の開拓に取り組んでいる。
外部リンク:Port B
撮影:江森康之
●アリ・アイユルディズ(Ali Ayyildiz)
在日クルド人。1993年から現在まで日本に滞在中。「新・東京修学旅行」の「クルド人編」にガイド役として参加。
撮影:蓮沼昌宏
【定員】50名(先着順・事前申込優先)
【入場料】無料
【会場】東京藝術大学 千住キャンパス(東京都足立区千住1-25-1)
北千住駅西口より徒歩約5分(JR常磐線 / 東京メトロ千代田線・日比谷線 / 東武スカイツリーライン / つくばエクスプレス)
※駐車場のご用意はありません。公共交通機関をお使いください。
【お申し込み・お問い合わせ】
「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」事務局
●TEL:03-6806-1740(13:00~18:00、火曜・木曜除く)
●WEBフォーム:http://aaa-senju.com/contact
●MAIL:info@aaa-senju.com
参加をご希望の方は、WEBフォームから申込みもしくは上記のメールアドレスに件名を「レクチャー」とし、⑴氏名(ふりがな)、⑵参加人数、⑶ご連絡先(電話番号・メールアドレス)を本文にご記入の上、お送りください。
※「info@aaa-senju.com」からのメールを受信できるように設定してください。
※個人情報は厳重に管理し、本事業の運営およびご案内にのみ使用します。
※内容は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、東京藝術大学音楽学部・大学院国際芸術創造研究科、特定非営利活動法人音まち計画、足立区
2019 年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
企画統括:楊淳婷 企画運営:楊天帥、権祥海、伊東茉南
2019.10.26
トーク・セッション「写真家・名越啓介と保見団地に住む南米の人々」(IMMレクチャー・シリーズ「多文化社会におけるアートのチカラ」第4回)
撮影:名越啓介
ドキドキしながら思わず見入ってしまうこの写真は、愛知県豊田市「保見団地」(ほみだんち)で暮らす住民たちの日常生活の一コマです。巨大な集合住宅である保見団地の住民は、約半数が外国人で、その大半が南米にルーツを持つ人々。そこに3年間住み込んだ異色の写真家・名越啓介は、カメラレンズを通して彼らとのふれあいを記録し続けました。本企画では、東京藝術大学特別招聘教授の長島確をコメンテーターに迎え、名越が外国人集住団地で目の当たりにした風景や営みについて話し合います。また、現在保見団地に住む南米出身の住民との対話を行い、さらに議論を掘り下げていきます。名越の写真作品をヒントに、アーティストならではの視点を介して日本に在住する外国人のストーリーの数々に迫ります。
IMMレクチャー・シリーズ「多文化社会におけるアートのチカラ」(全5回)とは
日本では既に多くの在留外国人が住んでおり、地域社会の多様化を深化させています。そんな現状にクローズアップして、社会学×現代美術、在留外国人×日本人といったクロスの視点から紹介していくのが本レクチャー・シリーズ。表現活動を通して多国籍・多文化の事象に向き合うゲストを迎えて、多文化社会における多種多様な課題とアートの関係性について考える場を提供します。
IMMレクチャー・シリーズ第1回〜第3回の開催情報(イベント終了)
IMMレクチャー・シリーズ第1回・第2回の開催レポート
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IMMレクチャー・シリーズ第4回 開催情報
2019年12月14日(土)13:00ー15:00
登壇者:名越 啓介(フォトグラファー)・ペドロ(保見団地住民)・長島 確(ドラマトゥルク・東京藝術大学特別招聘教授)
総合司会:熊倉 純子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科長・教授)
【登壇者プロフィール】
●名越 啓介(なごし けいすけ)/フォトグラファー
1977年奈良県生まれ。大阪芸術大学卒。19才で単身渡米し、スクワッターと共同生活をしながら撮影。その後アジア各国を巡り、写真集『EXCUSE ME』を発表。雑誌やカタログ等で活躍する一方で、その後も写真集『SMOKEY MOUNTAIN』、『CHICANO』、『BLUE FIRE』、はじめて国内を題材にした『Familia 保見団地』では「写真の会」賞受賞。そして2019年8月『バガボンド インド・クンブメーラ 聖者の疾走』をリリース。
外部リンク:
写真集『Familia 保見団地』紹介ページ
写真集『Familia 保見団地』紹介映像(YouTube)
●長島 確(ながしま かく)/ドラマトゥルク・東京藝術大学特別招聘教授
日本におけるドラマトゥルクの草分けとして、さまざまな演出家・振付家の作品に参加。演劇の発想やノウハウを劇場外へ持ち出すことに興味をもち、アートプロジェクトにも積極的に関わる。進行中のプロジェクトに「→(やじるし)」「まちと劇場の技技交換所(わざわざこうかんじょ)」など。2018年よりフェスティバル/トーキョー ディレクター。
外部リンク:
《→(やじるし)》プロジェクト(さいたま国際芸術祭2020)
「まちと劇場の技技交換所」(穂の国とよはし芸術劇場PLAT)
フェスティバル/トーキョー
【総合司会】
●熊倉 純子(くまくら すみこ)/東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科長・教授
パリ第十大学卒、慶應義塾大学大学院修了。企業メセナ協議会を経て、東京藝術大学教授。アートマネジメントの専門人材を育成し、「取手アートプロジェクト」、「アートアクセスあだち―音まち千住の縁」など、地域型アートプロジェクトに携わりながらアートと市民社会の関係を模索し、文化政策を提案する。東京都芸術文化評議会文化都市政策部会委員、文化庁文化審議会文化政策部会委員などを歴任。監修書に『アートプロジェクト─芸術と共創する社会』他。
【定員】50名(事前申込不要)
※「千住 Art Path 2019」(東京藝術大学 音楽環境創造科/大学院音楽音響創造の学生による制作・研究展)の一環として開催します。
【入場料】無料
【会場】東京藝術大学 千住キャンパス(東京都足立区千住1-25-1)
北千住駅西口より徒歩約5分(JR常磐線 / 東京メトロ千代田線・日比谷線 / 東武スカイツリーライン / つくばエクスプレス)
※駐車場のご用意はありません。公共交通機関をお使いください。
【お問い合わせ】
「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」事務局
●TEL:03-6806-1740(13:00~18:00、火曜・木曜除く)
●WEBフォーム: http://aaa-senju.com/contact
●MAIL:info@aaa-senju.com
※「info@aaa-senju.com」からのメールを受信できるように設定してください。
※個人情報は厳重に管理し、本事業の運営およびご案内にのみ使用します。
※内容は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、東京藝術大学音楽学部・大学院国際芸術創造研究科、特定非営利活動法人音まち計画、足立区
2019 年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
企画統括:楊淳婷 企画運営:楊天帥、権祥海、伊東茉南
2019.8.29
【Report|レポート】ダイバーシティを表現する人、表現する人のダイバーシティ
IMMレクチャー・シリーズ「多文化社会におけるアートのチカラ」
企画統括 楊淳婷(Yang Chunting)
NPO法人音まち計画 所属
オリンピック・パラリンピック開催まであと1年というタイミングでスタートした本シリーズの第1回、第2回。二日連続、会場に熱心に足を運んだ来場者の姿もありました。ダイバーシティという言葉への関心が高まる中、近年増え続けているニューカマーの外国人や、戦前・戦後から日本に住んでいるオールドカマーの外国人を含め、多様化が進む日本社会の歴史や現状を踏まえて、「表現活動」をキーワードに考える機会となりました。
第1回 “遅れてきた移民国家”における不可視な外国人たち
ゲストに迎えたのは、ウェブマガジン『ニッポン複雑紀行』編集長の望月優大さん。日本に滞在する多様な背景を持つ外国人に取材し、執筆する望月さんは、「複雑は、6:4でネガティブの言葉」、しかし、「白黒はっきりしない、グラデーションを持つ“複雑”というのが外国人に限らず、人として普通の姿ではないか」と述べました。
多様性はポジティブだとか、マイノリティはかわいそうでいい人だとか、偏った投影をしてしまう現状に危惧する望月さんが運営するウェブマガジンについて、対談者であるアーティストの岩井成昭さんはこう考えました。
「エピソードにはキレイな落としどころがあるわけではない。読めば読むほど、モヤモヤしたものがどんどん増えていく。つまり、なんでそうなんだろうという“問い”が増えていく。僕らが考え続けなければいけなくなっていく。」
見えるのに見えない存在とされている外国人について考えることを促す『ニッポン複雑紀行』と、社会現象をめぐって想像を掻き立てるアート、両者の“チカラ”の共通点が垣間見えた対談でした。
第2回 表現者としての在日朝鮮人たち
朝鮮大学校の先輩・後輩である登壇者は、社会学者のハン・トンヒョンさんと、アーティストの李晶玉さんでした。
在日朝鮮人2世のハンさんは、在日朝鮮人の在留身分や朝鮮学校の変遷について、日本の外国人政策・学校政策などと結びつけながら説明したのち、在日朝鮮人3世の李さんと対談し、彼女の創作活動についてディスカッションをしました。
ハンさんは在日朝鮮人が進学や就職に困難を感じていた自身の世代に比べて、情報社会の時代で育った李さんたちは、そのような困難が減少した一方で、ヘイトスピーチなどに触れて間接的に不遇感を感じる状況におかれているのではないかと、世代間の社会背景の差異に言及しました。
李さんは、朝鮮大学校と武蔵野美術大学の学生たちで共同企画したプロジェクト「突然、目の前がひらけて」をきっかけに、日本人学生と歴史やマジョリティ・マイノリティについて初めて語り合うことができ、在日朝鮮人としての自分について客観視することができたと述べました。その後に創作された李さんの作品には、民族教育を受けた自身の「在日朝鮮人性」はフィクションではないかと自問する要素が含まれていたりして、アイデンティティへの探索が李さんの作品をより複雑な構造を持つものへと導いたエピソードはとても興味深かったです。
ウェブマガジンを通してダイバーシティを表現する望月さんと、表現者のダイバーシティを反映する李さんの活動を今後も見守っていきたいです。