「美術館・わたしたちはみえている―日本に暮らす海外ルーツの人びと」開催延期のお知らせ
2020年8月から9月にかけて開催を予定していた「美術館・わたしたちはみえているー日本に暮らす海外ルーツの人びと」につきまして、オープンに向けて準備を進めておりましたが、開催を【延期】いたしましたのでお知らせします。
延期と判断した主な理由といたしましては下記のとおりです。
・新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、ご来場者様および関係者の安全確保を最優先する必要が生じた
・緊急事態宣言は解除されたものの、本展の開催に向けた関係各所との準備が十分に進んでいないまま開催に踏み切ることが困難である
すでに多くの皆様からのご理解とご協力を得て準備が進められていたさなかでの今回の決定となり、事務局一同大変悔しい思いが大きいです。そして、何よりもご協力いただいている皆様、ならびに本展を楽しみにお待ちいただいている皆様へ深くお詫び申し上げます。
このような決断に至り心苦しくもありますが、本企画をお待ちいただいているたくさんの皆様に足を運んでいただけるような企画になるよう、気持ちを改め、開催に向け準備を進めています。延期後の会期、会場等につきましては、政府および関係機関等の動向や社会状況を踏まえ判断いたしますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
引き続き「美術館・わたしたちはみえている―日本に暮らす海外ルーツの人びと」実現に向け、お力添えいただければ幸いです。詳細は決まり次第お知らせいたしますが、延期の決定に伴い本企画の主宰である美術家・岩井成昭さんから、メッセージがございます。
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私たちはこれまで、COVID-19の影響でさまざまな活動の自粛要請を受け、オリンピックとパラリンピックは延期され、それでも、まだ世界はパンディミックの終息には程遠く、一刻も早いワクチンの開発に望みをつないでいます。
経済も文化も教育も疲弊した中で、誰もが自身の身を守ることを優先しています。しかし、国内には既に280万人以上の在留外国人の方々が暮らしています。彼らの多くが、私たち以上に過酷な状態であることは想像に難くありません。突如としてやってきたこの苦難の時代に、しかし、このような時だからこそ、海外ルーツの方々の存在に光をあてるべきだと思います。私たちの企画において、彼らの存在の証を顕在化できるのは、文化とそれを土台にした表現を通してしかありません。展覧会の会期が延期されたことは、私たちに現状をもっとしっかりと見るべきだという啓示だと捉えています。彼らの生活に染みこんだ文化、文化から見えてくる生活、そして彼らの置かれている状況・・それらを今、理解しておくことは重要です。なぜなら、「私たち」は、共にコロナ以後の新たな世界を構築していかなければならないから。
岩井成昭(イミグレーション・ミュージアム・東京主宰)
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一日も早くこの事態が終息し、皆様に少しでも平穏な日々が戻ってくるよう心から願っております。
また、本展に向けて実施していた、日本に暮らす海外ルーツの方々からの作品公募については、予定通りオンラインにて皆様の作品をご紹介しております。ぜひ、ご覧ください。
今後とも、何卒「イミグレーション・ミュージアム・東京」を宜しくお願い申し上げます。
2020年6月1日
アートアクセスあだち 音まち千住の縁 事務局