トークシリーズ「多文化共生について考える」 基礎編/芸術編 開催!
「イミグレーション・ミュージアム・東京」トークシリーズ 受講者募集
文化とアートの魅力的な関係について考えてみませんか?
作品制作を主軸として活動してきた、イミグレーション・ミュージアム・東京(通称IMM)では、今秋からトークシリーズを開催。基礎編では移民という現象が発生した背景・歴史をたどり、日本の現状・課題・在日外国人の実態を見つめます。芸術編では、アートの手法を介して在日外国人にクローズアップしたドキュメンタリー演劇の紹介や、ドキュメンタリー映画の上映をします。
【募集対象】
多文化共生に興味のある方
基礎編 全4回、各回20名
実施日:平成27年10月18日(日)、10月30日(金)、11月7日(土)、12月5日(土)
芸術編 全2回、第1回20名・第2回200名
実施日:平成27年11月28日(土)、平成28年1月23日(土)
【受講費】
基礎編 第1回無料 第2〜4回通し500円
芸術編 第1回500円 第2回 一般 1,000円・学生 500円(小学生以下無料)
※要事前申し込み
※基礎編は各回毎の参加も可能ですが、受講費は通しと同じとなります。
※芸術編 第2回はお席に若干の余裕がございますので、当日受付を実施させていただきます。
予約なしでも、ご来場ください。
【会場】カトリック梅田教会、学びピア21、第一ビル、帝京科学大学3号館
カトリック梅田教会[東京都足立区梅田7-19-22]
アクセス:地下鉄日比谷線直通・東武伊勢崎線「梅島駅」より徒歩約5分
学びピア21(足立区生涯学習センター)[東京都足立区千住5-13-5]
アクセス:常磐線・東武線・つくばエクスプレス線・東京メトロ「北千住駅」西口より徒歩15分/
都バス・東武バス「千住四丁目」下車5分
第一ビル[東京都足立区千住旭町41−14]
アクセス:常磐線・東武線・つくばエクスプレス線・東京メトロ「北千住駅」東口より徒歩1分
帝京科学大学3号館[東京都足立区千住元町33-1]
アクセス:常磐線・東武線・つくばエクスプレス線・東京メトロ「北千住駅」西口よりバス乗車5分後
「千住桜木バス停」下車後徒歩約3分
【お申し込み・お問い合わせ】
[WEBフォーム] http://aaa-senju.com/contact
[お電話] 03-6806-1740(13~18:00、火曜・木曜除く)
[メール] info@aaa-senju.com
件名を「イミグレーション・ミュージアム・東京」と記入し、氏名(ふりがな)、電話番号、希望日
をメール本文にご記入の上、お送りください。
※「info@aaa-senju.com」からのメールを受信できるように設定してください。
※個人情報は厳重に管理し、本事業の運営およびご案内にのみ使用します。
各講座詳細内容
■ 基礎編
第1回 【見学イベント:フィリピンコミュニテイ見学―五感で感じるフィリピン】
日時:10月18日(日)11:30−14:00
会場:カトリック梅田教会
カトリック梅田教会について
足立区は東京23区の中でフィリピン人の在住率が最も高い地域です。
国民の90%以上がカトリック信者だと言われるフィリピン。足立区の梅島駅の近くにある「カトリック梅田教会」には毎週末100名以上のフィリピン人・フィリピーナが集まります。教会を中心に彼らは同じ国の人々に出会い、日本の生活に必要な情報を交換し、教会に集まる多様な国籍の人々と一緒にフィリピンの文化を楽しみます。クリスマスやニュー‧イヤーパーティーはもちろん、真夏にはフィリピンのかき氷「ハロハロ」もふるまわれ教会を盛り上げます。
見学イベントについて
この日は、在日フィリピン人が集うカトリック梅田教会の敬老会を見学します。
梅田教会にかようフィリピーナたちが積極的に敬老会に参加するようになったのは、ここ数年のことです。日本、フィリピンのさまざまな食べ物が並び、フィリピーナたちによるバンブーダンスのお披露目や、ペルーのバンドによる演奏などで盛り上がります。あなたも彼女たちのダンスの輪に加わってみてはいかがですか。敬老会見学のあと、IMMメンバーと見学の感想・考えについてディスカッションを行います。
第2回【講演題目:多文化共生を「空想」にしないために-シティズンシップの視点から】
日時:10月30日(金)19:00−21:00
会場:学びピア21 5F研修室3
講師:塩原 良和(しおばら よしかず)
慶應義塾大学法学部教授。博士(社会学)。日本学術振興会海外特別研究員(シドニー大学)、東京外国語大学外国語学部准教授等を経て現職。専攻は社会学‧社会変動論、多文化主義研究、オーストラリア社会研究。日本国内における外国人住民支援‧多文化共生施策にも調査と実践の両方から関わっている。
主な著作に『共に生きる-多民族‧多文化社会における対話』(弘文堂)、『変革する多文化主義へ-オーストラリアからの展望』(法政大学出版局)、『ネオ‧リベラリズムの時代の多文化主義』(三元社)など。
講演概要:
「多文化共生」という言葉は1990年代半ばから行政用語として使用されるようになり、定着していきました。その一方で外国人住民の生活課題に直面する現場からは、この言葉はある種の「きれいごと」として、違和感とともに受け入れられてきました。
そして近年、リーマン‧ショックや東日本大震災、深刻化する労働力不足、オリンピック/パラリンピックの開催をにらんださまざまな政策的変化のなかで、外国人住民支援のあり方も変わりつつあります。
「多文化共生」を空虚な宣伝文句ではなく内実の伴った施策にしていくためには、いま、どのような発想が求められているのでしょうか。オーストラリアをはじめとする諸外国との比較の視点も交えて考えていきます。
第3回【講演題目:在日ブラジル人の現在】
日時:11月7日(土)14:00−16:00
会場:第一ビル5F
講師:アンジェロ・イシ
武蔵大学社会学部教授。ブラジル出身、自称「在日ブラジル人1世」。サンパウロ大学でジャーナリズムを専攻し、1990年に国費留学生として来日。東京大学大学院、ポルトガル語新聞の編集長などを経て現職。著書に『ブラジルを知るための56章』(明石書店)、コーディネートした提言書に「外国人を受け入れる地域社会の意識啓発に関する提言」(外務省、IOMなどが発行)。在東京ブラジル領事館の市民代表者評議会の評議員。
講演概要:
日本に住む「外国人」のなかでも、「日系ブラジル人」と呼ばれる人々は「多文化共生」を考える上で欠かせない存在です。差別に対して裁判を起こした人もいれば、14歳でリンチされ命を落とした少年もいます。「派遣切り」されて日本を去った者もいれば、3.11後にいち早く被災地でボランティアをした者もいます。こういう在日ブラジル人たちの多様な物語を紹介し、政府や日本社会でいかなる対策や意識改革が必要かを考えます。
第4回【講演題目:在日フィリピン人の現在】
日時:12月5日(土)14:00−16:00
会場:学びピア21 5F研修室3
講師: 高畑 幸(たかはた さち)
静岡県立大学国際関係学部准教授。1969年、大阪生まれ、秋田育ち。大阪外国語大学(現‧大阪大学)大学院でフィリピン研究専攻、大阪市立大学文学研究科後期博士課程(社会学専攻)修了。博士(文学)。
専門分野:都市社会学、都市エスニシティ、在日外国人問題(特に在日フィリピン人)。
近著:「大都市の繁華街と移民女性——名古屋市中区栄東地区のフィリピンコミュニティは何を変えたか」『社会学評論』第62巻第4号、日本社会学会、504-520ページ、2012年。「過疎地‧地方都市で働く外国人介護者―経済連携協定によるフィリピン人介護福祉士候補者49人の追跡調査から」『日本都市社会学会年報』32号、133-148ページ、2014年。
講演概要:
現在、日本では約21万人のフィリピン人が暮らしています。1990年代初めから興行労働者として単身女性の来日が相次ぎ、多くの女性たちが日本人男性と結婚して定住しました。近年はその第二世代が日本の芸能界やスポーツ界で活躍を見せています。また、近年は東海地方の工業都市を中心に日系人の集住が見られます。講演では、1990年代から現在までの、日本におけるフィリピン人の定住、暮らし、子育て、就労、そして高齢化の課題について幅広くお話をしたいと思います。
■ 芸術編
第1回【テーマ:ドキュメンタリー演劇】
日時:11月28日(土)14:00−16:00
会場:第一ビル5F
講師:田室 寿見子(たむろ すみこ)
パフォーマンス‧ユニットSin Titulo代表、演劇プロデューサー、演出家。日系ブラジル人等の外国人が集住する岐阜県可児市において、演劇を用いて日本人と外国人との交流を促進する「多文化共生プロジェクト」を2008年に立ち上げ、「ドキュメンタリー演劇」と呼ばれる手法で好評を博す。5年に渡ってフィールドワーク、企画、演出、製作を担い、2011年からは参加者の演劇による雇用創出と自立を促進している。2014年より東京芸術劇場の人材育成事業を担当し、芸術を用いた共生社会の実現と、それに従事する人材の育成を目指している。
講演概要:
外国人労働者が集住する可児市において「多文化共生プロジェクト」を立ち上げ、共通言語がない創作環境のなかで、「国籍」や「人種」ごとではなく「個」を見つめる作業を通してドキュメンタリー演劇にたどりついた経緯について語ります。また、地域NPOとともに演劇を用いた外国人の人材育成や雇用を創出し、2015年秋には英国の芸術団体とともにコミュニティに入って創作する予定であり、それらの試みの意義と課題についても言及します。
第2回【テーマ:ドキュメンタリー映画】
日時:平成28年1月23日(土)14:00−17:00 (13:30 より受付開始)
プログラム:映画上映 14:00−15:30/講演15:40−17:00
会場:帝京科学大学3号館 B1F講堂
ドキュメンタリー映画『ハーフ』上映会&トークイベントを開催します。
映画『ハーフ』について:監督・撮影 西倉めぐみ、高木ララ/2013/日本/87分
多文化社会におけるハーフたちのストーリー
人々が頻繁に世界中を移動する時代となり、日本でもますます人々の移動が盛んになっています。そして、その日本には、両親のどちらかが外国人という人々が多く存在するようになりました。中には外見的に目立つ人もいれば、全く目立たない人もいます。ドキュメンタリー作品『ハーフ』は、このようなハーフたちの複雑な心境や、現代の日本での多文化的な経験を通して、発見の旅へと導きます。(映画公式サイトより抜粋)
講師:矢野デイビット、須本エドワード(映画『ハーフ』出演者)
参加費用:一般 1000円・学生 500円
※要事前申し込み
※小学生以下は無料
※学生は会場にて学生証を提示してください
※残席のある場合のみ、当日受付を実施[実施の場合は公式サイトにて告知]
※お席に若干の余裕がございますので、当日受付を実施させていただきます。
予約なしでも、ご来場ください。
会場アクセス:
常磐線・東武線・つくばエクスプレス線・東京メトロ「北千住駅」西口よりバス5分、
「千住桜木バス停」下車後徒歩約3分
都営バス
北千住駅西口 ③番乗り場
端44 「駒込病院前」行きに乗車 千住桜木バス停(尾竹橋通り側)下車 徒歩約3分
王45 「王子駅前」行きに乗車 千住桜木バス停(墨堤通り側)下車 徒歩約2分
東武バスセントラル
北千住駅西口 ②番/④番乗り場
北01 「西新井大師(本木新道経由)」行き (②番乗り場)
北02、03 「西新井大師(100号・本木二丁目・西新井駅経由)」行き (④番乗り場)
北04 「西新井駅西口」行き (④番乗り場)
北05 「江北駅」行き (④番乗り場)
に乗車し、千住桜木バス停(墨堤通り側)下車 徒歩約2分
講師:矢野 デイビット(やの でいびっと)
ミュージシャン、タレント、司会、一般社団法人Enije代表。分野:音楽、スポーツ、社会問題、教育。
日本人の父とガーナ人の母との間に生まれ、ガーナで起きた暴動事件の影響により 6 歳から日本に移住。学業のほかピアノとサッカーを学び 18 歳まで児童養護施設で育つ。明星大学英文科卒業。学生時代からモデルや CM の仕事を始め、「ユニクロ」、「リカルデント」、「エネループ」、「インテル」などの仕事を経て、「すぽると!」、「世界ふしぎ発見」、「FOOT×BRAIN」、「5時に夢中!」などテレビ番組にも出演。その傍ら、好きだったピアノを通して音楽活動をスタートし都内を中心にピアノの弾き語りを始める。現在ではソロ活動のほか元 J リーガーで作詞作曲家の兄と薬科大学に通う弟とのユニットYANO BROTHERS としてもライブ活動を展開。
講演概要:
25歳の時、ガーナでのストリートチルドレンとの出会いをきっかけに「誰にも守ってもらえない子供たちを守りたい」という想いを抱く。自立支援団体Enijeを設立。2012年に一般社団法人化し、教育を柱にガーナで学校建設や教育する側の教育、運動会やサッカー大会を行いながら支援を続けている。また社会問題をテーマにしたトークイベント「箱舟に積むモノ」を立ち上げ、当事者を招き社会問題をシェアする活動を行っている。2013年出演したドキュメンタリー映画「ハーフ」出演以降、主にアイデンティティー、マイノリティー、人種差別、国際交流、異文化共存などをテーマに多数講演。本講演では、ハーフとして自身の経験、考え、またはそれに関連した現在の活動についてお話しします。
講師:須本 エドワード(すもと えどわーど)
「ミックスルーツ‧ジャパン」代表。ベネズエラ人の父と日本人の母の間に生まれ、神戸で育つ。
日本につながりのある多文化な人々が集うボランティア団体「ミックスルーツ‧ジャパン」の代表として2006年より家族向けイベントや映画祭、コミュニティラジオ番組、更には2006年にNHKドキュメンタリーにもなったアート‧音楽祭と青少年向け表現ワークショップ「Shake Forward!」を企画。2010年からは大阪大学や南カリフォルニア大学との協同企画で学術研究を立ち上げ、積極的な社会対話促進活動を行っている。 今後はより「体感できる社会対話」のテーマを追求するため、公開フォーラムなどを充実する一方で移動展示会なども計画している。
講演概要:「多様性と国際化の違い:多文化市民を生かす社会対話とは」
海外からの移住や労働者受け入れ、難民問題を社会の多様化や国際化と位置づける一方で、日本にはニュー‧オールドを問わず多くの多文化市民がいます。彼等の多様性は複雑アイデンティティーによって特徴づけられ、「ハーフ‧ダブル‧クオーター」や「在日」とひとくくりにいえども、あまりに多様な背景とストーリーがあり、実は互いの共通点は限られています。しかし、明確に彼等が共有するのは「日本」という存在や思想です。拠り所やトラウマ、未知の国や唯一の住処とそれぞれ捉え方や接点は違えど、「日本」とは彼等多文化市民にとっては切っても切れない要素であり、ルーツであります。そんな彼等が単に「国際化」や「移民問題」のレンズを通して扱われるのではなく、有機的‧自発的に社会に根ざし、想像力豊かな活動でまちづくりに貢献することを促進することは、日本に似合った多文化に柔軟な社会作りを実現するために重要な社会基盤構築の要素です。ミックスルーツ・ジャパンの活動や経験の紹介を通して日本に適した多文化に柔軟な社会作りに関してみなさんと対話します。