【記録】千住フライングオーケストラ「研究発表会」
(遠藤一郎の連凧が空高く揚がる。)
日時:平成28年 1月16日(土)13:00〜15:00
出演:山元史朗、松本祐一、和田永、遠藤一郎、武田晃男
料金:無料
第一部「実験凧揚げ」13:00〜13:40
会場:荒川河川敷 虹の広場(東京都足立区千住5丁目先)
第二部「研究発表会」14:00〜15:00
会場:安養院(東京都足立区千住5-17-9)
「千住フライングオーケストラ」は、プロジェクトの発起人である音楽家・大友良英から、テクニカルディレクター・山元史朗へと引き継がれ、装い新たに“空から音が降り注ぐ演奏会”の実現に向けて活動してきた。今年度は「Maker Faire Tokyo 2015」や「別府現代芸術フェスティバル2015『混浴温泉世界』」などへ遠征し、凧の仕組みに関わるリサーチ、実験を続けてきた。そして、その悪戦苦闘の一年間の成果報告として、新たなアイデアのもと生み出された凧の実演と、これまでの試行錯誤の歩みを語る研究発表会を開催するに至った。
(遠藤一郎の愛車「未来へ号」)
(凧揚げをする和田永(左)と遠藤一郎(右))
当日は快晴で気温も高く過ごしやすかったのだが、風は穏やかだったために凧が揚がりづらかった。しかし、「未来へ号」で駆けつけた遠藤一郎の指示のもと、スタッフ総出で糸を引っぱると連凧は空高くへと上っていった。雲ひとつない青空にビビットな黄色の凧が連なる様子は、まるで巨大な生き物のようである。土手を散歩していた通行人も足を止めてその様子を眺めていた。
(荒川土手に集まり凧を揚げている様子。)
その後、来場者と共に次々とこれまでに試作した凧を揚げた。巨大な「うなり」のついた大きな凧は風が弱かったため揚げられなかったが、紙の「うなり」を付けた小さなツバメ型の凧や、爪に笛のついた鷹型の凧、コマ凧などはよく揚がった。連凧の鈴の音や、凧糸に接続して音を増幅させる機械で風の音を聞くなど、オーケストラとは呼べないまでも音を楽しむことが出来た。
(爪にインドネシアの笛がついた鷹型の凧。)
(ブーンと低い音を発生させる弓状の「うなり」をつけた凧。)
(松本祐一が鏑矢のついたペットボトルロケットを発射した。)
第一部は鏑矢の仕組みを付けたペットボトルロケットの連続発射でフィナーレとなった。ロケットが飛ぶと歓声があがった。
(安養院でのトークイベント。)
第二部は安養院を会場にトークイベントが行われた。アーティスト同士のアットホームな空気感により、トークは和やかに進んだ。日本の凧の会会員の武田晃男が海外の珍しい凧について紹介する場面もあり、会場は賑わった。
(トークゲストによる記念撮影。左奥から時計回りに和田永、遠藤一郎、武田晃男、山元史朗、松本祐一)
「爆音を鳴らしたいですね」という意見で一致し、トークも無事終了。果たして本当に「空から音の降る演奏会」は実現するのか。大友が称した「前途多難」な道のりが続く。
企画担当:前野真榛