【記録】野村誠「千住だじゃれ音楽祭」

だじゃれ(駄洒落)から生まれる新たな音楽「だじゃれ音楽」の可能性を探求するプロジェクト。“駄”こそが大事なんだ!とさまざまな人を飲み込みながら、抱腹絶倒なコンサートを展開。
たとえば、「猫が寝転ぶ」というだじゃれ。「猫」と「寝転ぶ」ことには何の関係もない。 でも、まったくつながらなかったもの同士が、音によってつながる。 これって、芸術の本質を、だじゃれ自体が体現していることにほかならないんですね。*1
僕が勝手に「だじゃれ音楽」という名前だけを作ってみたんですね。すると、この言葉、人によって多様なイメージを持つんですよ、そこが面白い。 だから、一つの意味に限定せずに、だじゃれ音楽とは何なのか僕も考えているし、 皆もそれぞれ勝手に考えてる。
「これもだじゃれ音楽かもしれないな」「そっちもあり?」
とか色々と見つけていければいいなと思っているんです。*2 ―― 野村誠
*1 「季刊ホームシアターホワイエ」2013年(春号)掲載インタビュー記事より
*2 白坂ゆり|『音』は人や街を変えることができるのか?『音まち千住の縁』Vol.3 作曲家・野村誠、日本が変わるため『だじゃれ音楽』でおじさんとコラボ CINRA.NET(http://www.cinra.net/column/otomachisenju03-nomura.php)より
「フェルマータ」という音楽用語がある。「その音をのばす」という意味で、「停止」という意味のイタリア語からきているらしい。しかしこの言葉、よく見ると、その中にさまざまな日本語が隠されている。「笛」「増える」「待った」「舞った」……。そんなだじゃれ的発想から、どんな音楽が奏でられるのか、あれこれ試す。演奏者が「笛」を吹き、誰かが「待った」をかけたとき、一斉に「フェルマータ」。この流れを繰り返しながら、「笛」を吹く人が「増え」ていく。やがて、スタッフの「丸田」さんが登場し、「舞い(舞った)」、最後に奏者全員でフェルマータのかたちになって礼。こうして作曲されたのが、「だじゃれ音楽」の代表作『笛るマータ』だ。だじゃれ音楽は、誰かがアイディアを出せば出すほど、その意見を吸収して発展を遂げる。そして、その途中で生じる意味の飛躍は、まったく予想だにしなかった発想をもたらすことも多い。
しかし、だじゃれをはじめとした「駄」なものは、一般的には蔑まれたり、無視されたりしがちなものである。僕たちは、千住のまちなかで「だじゃれを言ってください!」と突撃インタビューを敢行したものの、苦笑いとともに「私はだじゃれなんか言わないよ」「それどころじゃない」など、だじゃれを言わない言い訳ばかりが集まってしまった。このインタビュー映像は、千住だじゃれ音楽祭第一回定期演奏会「音まち千住の大団縁」で、『だじゃれは言いません』という曲になった。インタビューの中の「言い訳」の抑揚を、そのままヴァイオリンソロが美しい旋律にして映像と重奏する。「駄」なものの闇を、ヴァイオリンの奏楽に昇華させたこの作品は、東京藝大の松原勝也教授の華麗な演奏に聴衆が爆笑するという、不思議な光景を生み出した。
「飛躍」と「疎外」の狭間で揺れながら、僕たちは、新しいだじゃれ音楽のかたちをつくり続けている。
野村誠ふろデュース「風呂フェッショナルなコンサート」
2012年3月17日/会場=タカラ湯/出演=野村誠、秋庭潤、浅野裕貴、磯上知子、梅澤妃美、岡田慎太郎、奥村円佳、小山内百合、尾花藍子、五十殿裕生、加藤千晴、苅部将大、栗生健二、講神雅人、胡舟ヒフミ、小日山拓也、Josh Rickard、竹井富士樹、多田峻汰、多田ともや、田中勝久、千ヶ崎桜子、千ヶ崎理子、千ヶ崎嘉彦、富永哲也、新倉壮朗、永井祐介、まく、三浦陽大、三宅博子、村松碧菜、安本拓治、横江れいな/協力=タカラ湯
だじゃれ音楽体験ワークショップ
2012年11月17日/会場=東京藝術大学 千住キャンパス 第7ホール/出演=野村誠
子どもだじゃれ音楽ワークショップ
2012年11月18日/会場=東京藝術大学 千住キャンパス 第7ホール/出演=野村誠

野村誠ピアノソロ・コンサート「Lettuce play the piano」
2013年1月19日/会場=東京藝術大学 千住キャンパス 第7ホール/出演=野村誠、宮田篤、勝木菊江、ポジティブワンダーランド、スカッタート、冗談新橋ライン、ADACHI HIPHOP Projectチームふぃれっく、だれじゃん、芸大チェッカーズ、ほくさい音楽博、だじゃれ音楽研究会、長谷川勝美、熊倉純子、横田博文、千ヶ崎嘉彦、松浦史子、加藤チャーリー千晴
千住だじゃれ音楽祭 第一回定期演奏会 「音まち千住の大団縁」
2013年3月16日/会場=東京藝術大学 千住キャンパス 第7ホール/出演=野村誠、梅津和時、大田智美、田中悠美子、中原雅彦、松原勝也、宮田篤、双木美和子、野崎めぐみ、樋口さゆり、ADACHI HIPHOP PROJECT、だじゃれ音楽研究会、堀江慶子/映像=樂 FACTORY 有限会社、大瀧光司、田島由深/協力=学園通り、宿場町通り商店街、本町センター商店街、ミリオン通り商店街、千住街の駅、千住本町五町会

千住だじゃれ音楽祭 国際交流企画第1弾:インドネシア編 レクチャー&コンサート「メメットを藝大に歓迎だい!」
2013年11月10日/会場=東京藝術大学千住キャンパス スタジオA/出演=野村誠、メメット・チャイルル・スラマット、だじゃれ音楽研究会、小川実加子、松澤佑紗、リンズィ・ドゥガン、東京藝術大学ジャワガムランクラブ Titik Suara、東京音楽大学ジャワガムラン部、熊倉純子、アナック・アグン、だじゃレンジャー

千住だじゃれ音楽祭 国際交流企画第2弾:タイ編 レクチャー&コンサート「タイのアナンを藝大に歓迎タイ!」
2014年3月16日/会場=東京藝術大学 千住キャンパス スタジオA/出演=野村誠、アナン・ナルコン、アドゥン、だじゃれ音楽研究会、小川実加子、松澤佑紗、リンズィ・ドゥガン、上遠野文音