この秋、都内で唯一の水産物専門の中央卸売市場である足立市場にて「ミュージサーカス」を開催します。「ミュージサーカス」とは、今年生誕100年を迎える20世紀を代表する音楽家、ジョン・ケージ（1912- 1992）の作品で、大勢の演奏者やパフォーマーが一斉に自分自身のパフォーマンスを行うコンサートです。今回は「WORLD MAP」をテーマとして、あらゆるジャンルの音楽、世界中のユニークなパフォーマンスなど、幅広い表現の場を展開します。魚市場に描き出される「世界の縮図」を一緒に作ってみませんか？
【公演日程】
日時：平成24年11月3日（土）15:00～17:00（14:30開場）
※雨天の場合 11月4日（日）12:00～14:00（11:30開場）
会場：東京都中央卸売市場足立市場
【プレイベント／コンサート・レクチャー】
「ミュージサーカス」プレイベント ジョン・ケージの思想と音楽
日時：平成24年10月21日（日）13:00～15:00
会場：東京藝術大学 千住キャンパス 第7ホール
出演：足立智美、井上郷子（ピアノ）、ミズモトアキラ（DJ）
足立智美によるジョン・ケージ作品のパフォーマンスと「ミュージサーカス」のコンサート・レクチャーを行います。終了後は、足立市場の現地見学を行いますので、できるだけご参加ください。（見学は17:00頃終了予定です）
【募集対象】
10～30分程度の演奏・パフォーマンスができる方。
但し、普段から何らかの形でそのパフォーマンスを実践している方。
※個人、グループは問いません。
【応募条件】
下記日時全てご参加頂ける方
・本番当日：11月3日（土）13:00～18:00
・雨天振替日：11月4日（日）10:00～15:00
※出演者説明会：10月21日（日）13:00～17:00もできるだけご参加ください。
【注意事項】
・ご応募いただいた方は原則ご出演可能ですが、演目内容の偏りや会場の許容量、公序良俗の観点等の理由によりご出演をお断りさせていただく可能性もございます。
・椅子（パイプ椅子）以外、パフォーマンスに必要な機材は全てお持ち込みください。設営・撤収はご自身でお願いいたします。
・電源設備には限りがあります。必要な場合はお申し込み時にご相談ください。巨大な音は出せませんので予めご了承ください。
・出演料及び交通費の支給はございません。
・本番当日、市場内の駐車スペースは使用できません。
・本番当日、リハーサルはございません。
【募集締切】
平成24年9月10日（月）必着
【応募方法】
■メールでお申し込みの方
件名を「ミュージサーカス出演応募」とし、以下①～⑨の項目をご記入の上、
musicircus@aaa-senju.comまでご送付下さい。
①氏名（ふりがな） ※グループの場合、グループ名と代表者氏名
②メールアドレス
③電話番号（連絡のとりやすい連絡先）
④住所
⑤出演人数
演奏（またはパフォーマンス）予定演目について
⑥名称・内容など
⑦持ち込む楽器・機材の種類・個数など
⑧パフォーマンス希望時間
（30分程度が望ましいが、パフォーマンスにとって必要であれば、極端に短いもの、または２時間以内の長いものも可。その場合は理由も明記。）
⑨必要なスペース（何㎡かなど。パフォーマンスに移動が含まれる場合それを含む）
⑩可能であれば、作品の映像・録音・写真のいずれかを提出してください。
■電話でお申し込みの方
音まち千住の縁事務局 03-6806-1740（13～18時 火曜、木曜除く）にお電話ください。
※個人情報は厳重に管理し、本事業にのみ使用します。
ジョン・ケージ ミュージサーカスについて 足立智美
ミュージサーカスは、アメリカの作曲家、ジョン・ケージが考案した、コンサートの形式です。これはさまざまな音楽がお互いに自立しながら、同じ時間と空間を共有して、響きあうコンサートです。普段、音楽をコンサートホールで聴くのとちがって、ホールの壁を取り払い、いくつものコンサートが同時におこなわれている状況を想像して下さい。その状態を、さまざまな演目が同時に演じられるサーカスに例えて、ミュージサーカスと名づけました。
このコンサートでは、個人やグループが事前に決めた好みの音楽を、「同時に」、「様々な場所で」、「独立して」演奏します。観客はその音楽の周りを自由に動きながら、さまざまな音楽が交じり合っていく状態を楽しむことになります。今回のミュージサーカスのユニークな点はそれが野外で、しかも独特の建築構造を持つ足立市場でおこなわれるということでしょう。
このコンサートには、ジャンルやプロやアマチュアを問わず、音楽の演奏経験のある人ならどんな人でも参加することができます。音楽だけではなく、ダンスやアクロバットから落語、見世物、レクチャーまであらゆるものを含むことができます。パフォーマーには演奏場所と開始時間が渡されるので、それだけに従って、後は自由に自分のやりたい音楽を演奏することができます。
したがってどんな方でも参加できますが、以下の点を心に留めて下さい。あなたは自分の好きな音楽を演奏できますが、他のグループの音に自分の演奏がかき消されてしまうこともあるかもしれません。また当然演奏に困難を感じることもあるでしょう。また他のグループの演奏に反応してはいけません。もちろん他の人を意図的に邪魔してもいけません。パフォーマーにとって大事なのは、自分を失わず、他人は他人のままに、状況を受け入れることです。
パフォーマーには事前に、演奏開始時間と演奏場所が手渡されます。これは偶然によって決められますので、誰の意図でもありません。その指示だけを守って、後は自分で用意したプログラムを遂行して下さい。
このコンサートは、新しい音楽の体験を楽しむためのものですが、ケージのもうひとつのアイデアは、音楽を社会のモデルとして考えることでした。このコンサートは自立した人々が中心を持つことなく、お互いを受け入れていくモデルでもあります。
いったん、音楽という枠組みを離れてみれば、世の中には様々な音が混じりあっています。その状況に積極的に参加し、体験してみることが重要なのです。
Some years ago … we gave a Musicircus … in a large gymnasium. We simply had as much going on at a single time as we could muster. And we exercised no aesthetic bias. … You should let each thing that happens happen from its own center, whether it is music or dance. Don’t go in the direction of one thing ‘using’ another. Then they will all go together beautifully (as birds, airplanes, trucks, radios, etc. do). John Cage “何年か前、ミュージサーカスを大きな体育館でやりました。私たちは単に集められる限り多くの事柄が同時に進行するようにしました。そして美的な好みを介入させませんでした。音楽であれダンスであれ、あなたのすべきことは、すべてがその中心にあるように、物事を起こるがままにしておくということです。他の人を「利用する」ような方向にいってはいけません。そしてすべては美しく共存していくのです（鳥や飛行機やトラック、ラジオなどがそうであるよう。）”ージョン・ケージ ＜日本語訳：足立智美＞
